トンガ王国産フコイダン学会発表内容


日本栄養・食糧学会第58回(2004年5月21日〜23日 東北大学主催 会場:仙台市民会館)

もずくに含まれるフコイダンには整腸作用、循環器系改善作用、抗ウイルス・抗殺菌作用など様々な生理機能が見出されております。近年では、褐藻類に特徴的に含まれているカロテノイドの一種でありますフコキサンチンに強い腫瘍細胞アポトーシス作用があることが明らかにされております。

我々はトンガ王国天然もずくには従来から知られているフコキサンチンとは異なった癌細胞に対して非常に強いアポトーシス誘導能を持つ低分子画分を見出したのでこれについて詳細に検討いたしました。


まず初めに学名をクラドシフオン ノヴァエ カレドニアキリンの新鮮なトンガ王国産天然モズクに最終濃度80%になるようにメ夕ノールを加え1時間抽出しました。その後メタノール層を回収し減圧下でメタノールを除去し水層画分を回収しました。次に酢酸エチルを等量加え抽出を行いました。

酢酸エチル層を回収し減圧下で酢酸エチル層を除去し蒸発乾固させました。これに30%メタノールを加えあらかじめ平衡化させた親水型ODSに吸着させました。同じメタノールで洗浄後50、70、及ぴ100%メタノール溶液でステップワイズ法にて溶出させました。各画分について培養細胞にて増殖抑制作用を検討しました。


細胞はマウスのSR-180及び2LL、ヒト由来SEKI及ぴ正常繊維芽細胞を用いました。各細胞を1ml当たり1.0×10の6乗個になるように調整し96穴マイクロプレートにl00μl加えました。その後、1000ng/mlに調整した試料を10μl加え5時間インキュべートしました。その後MTTアッセイ法にて生存率を求めました。

コントロールにはPBSを用いました。5時間目の生存率は100%メタノール溶液溶出画分が最も低く30〜20%でした。また、正常細胞には増殖抑制作用を認めませんでした。これらの事から100%メタノール溶液溶出画分をAIFとし以下の実験の試料としました。

1ml当たり1.0×10の6乗に調整した各細胞のl00μlにAIFを10ng加え7時間目までの細胞生存率を求めました。添加後3時間目までは生存率に変化は認められませんでしたが4時間目以降から生存率は有意に低下しました。5時間目以降の2LLの生存率は約20%、SR-180では30〜20%、SEKIでは約40%でありました。


次に各種濃度のAIFを添加し5時間目の生存率を求めました。各細胞とも同様の傾向を示しました。2LLでは640ng/ml以上の添加で約20%の生存率を示しました。また、SR-180では640ng/ml以上の添加で約30%の生存率を示しました。SEKIでは1280ng/mlの添加で約40%の生存率を示しました。そこで細胞の死滅状態を見るためにフローサイトメーターで検討しました。

各細胞を1ml当たり10×10の6乗個に調製しl00μ1ずつ96穴マイクロプレートこ加えAIFをウエル当たり1ngになるように添加し4時間インキユべートしました。その後Y0-PR0-1及ぴPIを加え反応させべクトンデエッキンソン社製FACS Ca1iberを用いて検出しました。Y0-PR0-1陰性、PI陰性の領域には生細胞をY0-PR0-1陽性、PI陰性領域にはアポトーシス細胞をY0-PR0-1陽性、PI陽性領域にはネクローシス細胞を検出する事からこれらの領域の細胞数の割合を求めました。


各培養細胞中の生細胞は30〜40%、アポトーシス細胞は50〜60%、ネクローシス細胞は10%以下の割合でした。これらの結果からAIFはがん細胞にアポトーシスを誘導させる事が明らかとなりました。次に各種細胞にAIFを添加したときのcaspase-8の活性化を測定いたしました。

2LL細胞ではAIF添加後1時間目には30%の上昇が認められました。また、SR-180では2時間目に、SEKIでは3時間目に約20%の上昇を認めました。これらの事からAIFはがん細胞上のレセプターに何らかの刺激を与えその結果caspase-8が活性化されることが示唆されました。


次にcaspase-1の活性を測定いたしました2LLでは4時間目に約25%に上昇を示しました。また、SR-180では5時間目に約20%の上昇を示しました。SSEKIでは5時間目からcaspase-1の活性が上昇し7時間目には約30%の上昇を示しました。

以上の結果からAIFは癌細胞上のレセプターに何らかの刺激を与える事でcaspase-8及びcaspase-1を活性化させその結果アポトーシスが誘導される事が示唆されました。


以上の結果をまとめますと以下のようになります。トンガ王国産天然モズクより各種クロマトを用いて低分子画分を分画しAIFとしました。

各種がん細胞にAIFをl000ng/mlで添加したところ5時間目以降で約80%の細胞に障害を与えました。
各種がん細胞にAIFを640ng/ml以上の添加で60%以上の細胞に障害を与えました。
AIFを添加することでアポトーシスを誘導させることが明らかとなりました。
caspase-8及びcaspase-1を活性化させることからAIFよ癌細胞上のレセプ夕-を介して癌細胞にアポトーシスを誘導させる事が示唆された。

以上の事からトンガ王国産天然モズクから抽出したAIFにはがん細胞をアポトーシスさせる作用があることが明らかとなりました。